津波2週間後の県道塩釜亘理線 蒲生-荒浜-閖上大橋
昨日、津波から2週間経った塩釜亘理線(県道10号)を中心に、仙台市宮城野区岡田→南蒲生→仙台市若林区荒浜→名取川河口の閖上大橋までを回ってきました。
先週の津波1週間後の仙台市宮城野区高砂→多賀城市→塩釜市と同様、この付近も状況がどうなのかと心配されている方々が多いと感じていましたので、敢えてありのままの状況を、なおかつ正確な場所が地元の人にも分かり易いように掲載したいと思います。(場所のリンクをクリックするとgoogle mapが表示されます。)
合わせて、津波被害の記録を残しておくこと、また、未だ津波の被災地では水すら引いていない地域も広範囲に広がっている現実も分かって頂きたいため、津波から2週間経った状況を詳しく記述させて頂きます。
まず、以下の地図がこの付近を含む宮城県内松島から亘理までの津波による浸水範囲概況図です。
※地図をクリックして、「オリジナルサイズを表示」をクリックすると大きなサイズの地図を表示できます。
まず、宮城野区の高砂中学校近辺。
この辺の住宅地は完全に水は引いていますが、付近は泥だらけです。
高砂中学校校庭は未だ避難して来た方々の車で一杯でした。避難所の状況は私が避難した台原小学校の地震直後1,2日と同じくらいで、同じ仙台市内と言えども津波の被災地周辺はまだ困難な状況が続いているのを痛感しました。
ちなみに、私が通っていた中野中学校はこの高砂中学校から私が中2の時に分家した中学校です。中1の時は盛岡にいたので高砂中学校には通わなかったものの、当然友だちもいた馴染みの学校です。それだけに、この辺りがこのような状況になってしまっていることにショックを受けました。
すぐ横の七北田川には、車や家の屋根が見えています。
宮城野区岡田付近。家々は床上浸水で、住民の方々は家の中から泥の掃き出し作業を一生懸命やられています。この辺りから、低いところにはまだ水が溜まっている状況です。
蒲生前通り交差点から海岸公園までの道。南蒲生浄化センターから流れて来たと思われる大きなタンクが転がっています。
この付近の電柱は、こうして根元から折れています。
木々も文字通り根こそぎ倒れている状態。
辛うじて残っている家の方々は荷物の運び出し作業をされています。こんな風景の中、女の子が自転車で走っているのを見るとかえって津波の無情さを感じます。
海岸公園の駐車場と向い側にある東北油化工業。
宮城県道10号線(塩釜亘理線)の様子は動画で見て下さい。
荒浜交差点の手前。
荒浜交差点とその角にあるガソリンスタンド。
この付近の動画。
荒浜の海岸方向は荒浜小学校を除いて建物がほとんど残っていません。
荒浜小学校。
荒浜小学校前から海岸方向。海まで何もありません。
荒浜新2丁目付近。塩釜亘理線の海側は土台のみが残っている状態。
反対側のずっと奥の方に、かつて海側にあったであろう家屋が流れ着いています。背後には仙台市中心部のビル群が見えています。
名取川に掛かる閖上大橋。橋は通行止めですが、堤防までは登れます。その上から藤塚方向。
県道を挟んで反対方向。
橋の袂の堤防を登ったところにある電柱が、更に2m上くらいのところから折れています。地面からだと10mくらいでしょうか。いかに津波の高さが高かったかが分かります。
ここまで通って来た県道10号塩釜亘理線。
このように、仙台市内であっても海岸に近いところは津波から2週間が経っても復旧が手付かずの状態です。水すら引いていないのです。
ここのところ、ニュースでは原発の扱いの方が大きくなり、津波の被災地の状況はあまり伝えていませんが、津波の被災地はあまりにも地域が広大過ぎるため作業が全然追い付いておらず、復旧にはほど遠い状況です。
更には、そこに暮らす方々は未だ地震・津波直後の状態であることを忘れてはならないと思います。
一方、この地域でも復興の動きも見え始めています。
今朝、ゆりあげ港朝市が名取のイオンモール名取エアリで復活したようでね。
■「ゆりあげ港朝市 威勢よく 名取」(河北新報)
おめでとうございます!